さて、相変わらず mobilepress は手つかずでございますが…。
今回は Fedora 及び RHEL、CentOS 用のサードパーティによる追加パッケージ集をご紹介しましょう。
このあたりの情報っていまひとつまとまってないっつーかなんつーかな気がするので。
まずは例によって薀蓄から。
Debian なんかだと apt-get コマンドで追加できるパッケージがそれはもう大量にあって、ライセンス上許されるものであればメジャーなものからマイナーなものまでもうなんでもインストールできちゃう世界。「UNIX はソースから自分でコンパイルするんだ!」なんつーのはいつの時代のハナシだ?なんて思ってしまうぐれーなわけです。
それに対して redhat 由来ディストリビューションは、長いことそうでもなかったんですな。
Fedora ができてから、redhat が主体となって開発される本体を「Fedora Core」、コミュニティによって開発される追加パッケージ集を「Fedora Extras」と呼んで、追加パッケージがどんどん増えていたわけです。もちろん現在は Core と Extras の区別はなくなっていますが。
そもそも「Fedora」ですが、もともとはハワイ大学の togami さんという方が立ち上げた、Red Hat Linux (RHEL:Red Hat Enterprise Linux になる前のモノ) 用の追加パッケージ集を開発・配布する「Fedora Linux」というプロジェクトが由来だったんですな。
そんなワケで、Fedora に関しては、さすがに Debian にはまだ及ばないものの、標準状態である程度メジャーなソフトウェアパッケージを yum コマンド一発でインストールできる状態になりました。
ところが、RHEL / CentOS はそうでもなかったりします。
んなワケで、サードパーティによって開発されている、yum コマンド一発でインストールできるパッケージ集リポジトリをご紹介しましょうという塩梅。
DAG: RPM packages for Red Hat, RHEL, CentOS and Fedora
Dag Wieers さんによって運営されている追加パッケージ集ですな。rpmforge とも言うみたい。
Fedora に関しては FC3 までで、FC4 以降は Extras なり統合された Fedora のリポジトリを使いなせーということで、現在は旧 Red Hat Linux-9 及び RHEL/CentOS-3 以降が対象のようです。
パッケージ一覧はこちら→http://dag.wieers.com/rpm/packages.php
現時点で 4142 個もパッケージがあります。
さて、使い方です。
この辺りを参照してください→http://dag.wieers.com/rpm/FAQ.php#B
例えば CentOS-5/i386 をお使いの場合、コイツは RHEL-5/i386 の互換 OS なので、上記リンク先の説明にしたがって以下のように実効します。
# rpm -Uhv http://apt.sw.be/redhat/el5/en/i386/rpmforge/RPMS/rpmforge-release-0.3.6-1.el5.rf.i386.rpm
はい、あとは yum コマンドでフツーに大量のパッケージを参照できます。
ただ、どうやらこのリポジトリは redhat なり CentOS Project からオフィシャルに配布されているパッケージより新しいモノがあるようで、標準パッケージを一部置き換えてくれやがります。当方が使っている限りは特に問題はないので気にせず置き換えてしまいましょう (^-^;)。
rpm.livna.org
今度は Fedora 用。
前述のとおり、現在の Fedora はサードパーティのリポジトリなど使用せんでもかなりの量のパッケージがあります。
んが、特に Fedora はデスクトップ OS として使用すると思うのだけれども、その場合に困ったことがあります。
Fedora は redhat 社のポリシーにより、mp3 とか CSS アクセスコントロールのかかった DVD とか、パテントに抵触するようなコンテンツを再生できないようになっています。本来再生できるはずのソフトも、わざーざ無効にしてコンパイルしてあったりするのです。余計なことを!
というわけで、そういうコンテンツを再生可能にするための追加パッケージやら nVidia のビデオドライバやらを配布しているサイトです。
で、使い方。
まずこちらを参照→http://rpm.livna.org/rlowiki/
このページの「Repository RPMS」と書かれているところに、Fedora-7~9 用の Repository RPM なるモノがありますね。これをインストールします。例えば Fedora-9 だとこんな感じ。
# rpm -Uvh http://rpm.livna.org/livna-release-9.rpm
これで yum コマンドでいろいろインストールできます。
例えば標準の音楽プレイヤーである Rhythmbox で mp3 を演奏できるようにするには、以下のようにします。
# yum install gstreamer-plugins-ugly gstreamer-plugins-bad
手っ取り早く DVD を観たければ、次のように xine というソフトを入れれば多分いけるハズ。
# yum install xine xine-lib-extras-nonfree
ってゆーか、livna さんとこのパッケージはドレがナンなのかイマイチ分かりにくいのが珠に疵。
さて、他にも有名なリポジトリはあるけれども、当方は上記2つぐらいしか使っていないので悪しからず。
ところでこれって結局どういう仕組みなのサ?と興味のあるかたは、/etc/yum.repo.d というディレクトリの下にあるファイルを眺めてみておくんなさい。
fastest mirror
さて、このように yum リポジトリを増やすと、yum update とかが時間かかって嬉しくないワケ。
なので、最近の Fedora 及び RHEL/CentOS-5 をお使いの方は、騙されたと思って (騙さねぇってば) 以下のコマンドを実行してみましょう。
# yum install yum-fastestmirror
RHEL-4/CentOS-4 の方は以下のように。
# yum install yum-plugin-fastestmirror
こうすると、各リポジトリのミラーサイトの中から、近くて速そうなサイトを勝手に選んで処理してくれるようになりまする。
おまけ:自動更新について
さて、最近の Fedora 及び RHEL/CentOS-5 には、「yum-updatesd」というパッケージが入っています。
これにより、GNOME か KDE にログインしている時は パッケージに更新があると画面上でお知らせしてくれて、それに答えるとシステム全体をアップデートしてくれるという、まるで Windows Update みたいな機能が実現されてます。
んが、サーバーとして運用している場合、お知らせなどどうでも良いので勝手にアップデートしてくれよ!と思いますわな。
CentOS-4 だと、以下のようにしておけば夜中に勝手にアップデートしてくれるようになります。
# chkconfig yum on
# /etc/init.d/yum start
RHEL-4 は yum じゃなくて up2date なのでこうはいきませぬ。
最近の Fedora 及び CentOS-5 だと、以下のようにする必要があります。
# yum install yum-cron
# chkconfig yum-cron on
# /etc/init.d/yum-cron start
RHEL-5 も up2date でなくて yum になったそうだけれども、yum-cron パッケージがあるかどうかは未確認っす。
ただし、上記のようにしておいたとして、kernel パッケージも新しいモノを入れてはくれますが、当然再起動するまで新カーネルは有効にならないのでご注意。
はい、そんなワケで今回は yum のおハナシでした。
えーと、だいたいこんなモンでお約束は果たしましたかね?>黒さん (^-^;)
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