Evernote が無料枠で同時に使えるデバイスが2台までに制限されるようになってからはやくも1年以上が過ぎた。1アカウントで共有できるデバイスが2台までというのなら、複数のアカウントで1つのノートを共有すればいいじゃない、というひともいるが、そこまでしなくてもという気もしないでもない。
ほぼ似たようなソフト&サービスで、容量とかは Evernote より少々厳しいけれど (OneDrive に準じる)、デバイスの台数は制限のない OneNote への移行ツールが提供されていたので、まんまと乗り換えてしばらく使ってきた。
OneNote はとりあえず Windows と macOS と iOS、そして Android でも使える。それ以外は Web ブラウザでも使える。ここまでは Evernote と同じ。しかし Evernote には NixNote という Linux 用のクローンアプリがあるのだけど、さすがに OneNote にはそれに相当するものはないっぽい。ていうか Microsoft さんはここんとこ Linux にだいぶ肩入れしているので、Office の Linux 版もいいかげん出せばいいのにね。
そして OneNote は MS Office 製品の1つなのに無料配布されている。しかも有料の Office についてくるものと同じものだ。Windows 10 のひとは最初から Windows Store 版というか UWP 版の OneNote がインストールされているが、これはかなり機能が削られているというか、未実装な機能が多いものなので、公式ダウンロードサイトから「Windows デスクトップ」版をダウンロードしてインストールしたほうがいい。
OneNote のなにがいいって、MS Office 製品であること。おシゴトで「Evernote で情報共有しようぜ!」といっても、ハア?なにそれ?クラウド?アカウントとるの?大丈夫それ?てところから説明しなければならないケースが多かったのではないかと思うのだが (オレだけだったらどうしよう)、MS Office であることと、最近は Windows 10 も Microsoft アカウントと連携する機能があるので、とりあえず Microsoft アカウントはもってる、もしくはもってないひとにもってもらうのも、Evernote という聞きなれないサービスのアカウントをとるよりは抵抗が少ないヒトが多いハズだ。
さらに、OneNote で作ったノートは PDF はもちろん、Word 形式でエクスポートできる。なんでもかんでも文書は Word で作ったりするのが当たり前な文化圏との親和性がとても良いのも見逃せない。Markdown で共有?ああいいんだけど、世の中ああいう抽象マークアップで文書を書けるような人間ばかりだと思うのなら、たまには井戸の外にでてみるのもいいかもしれないケロよ。
それから、iOS アプリの Office Lens が便利で良い。
ホワイトボードや印刷文書、名刺などを、自動的にその対象エリアや色合いなんぞを認識して、とてもキレイに撮影して OneNote に送ってくれるカメラアプリだ。同様のものは Evernote にもあったよね。
実はこの Office Lens、OCR も内蔵していて、撮影した印刷文書を OneNote ではなく Word に送ると、その写真の文字を認識してテキスト化してくれる機能があったりする。これ意外と精度が悪くないので、やったことないひとは1度やってみるといいと思う。
OCR といえば OneNote 本体も搭載していて、貼り付けた画像の中に含まれる文字を認識してクリップボードにテキストデータとしてコピーする機能があったりする。
あとは、そもそも最初の思想がもともと Evernoteっぽいアプリとしてではなかったようで、なんか入力した文字が変に段落単位だったり、テキストボックスが変な風に配置されるのが微妙にイヤな感じだけれど、上記した機能はとても便利なのでそこは我慢できる。
ただし、ここまでは Windows 版のハナシである。
macOS 版が微妙に残念なのだ。
まず、先程書いた OCR というか画像からのテキスト抽出機能がない。それから、Word 形式へのエクスポート機能がない。
まあこのへんは Windows とまったく同じものではないし、なければないで諦めもつく。本質の機能ではないしね。
問題なのは印刷である。
適当に文字を A4 1枚に収まる程度に入力して、なにも考えずに印刷 (または PDF エクスポート) すると、A4 が4枚出力される。もちろん文字が印刷されているのは1枚のみ。あと3枚は白紙だ。
どうやら微妙に縦横が印刷エリアからはみ出しているらしいのだ。これは僕の使っているプリンタとの組み合わせがたまたまそうというわけでもなさそうである。
この問題は Mac App Store のレビューに何度も書き込んだのだけれども、今のところまったく修正される気配がない。とりあえず手早く OneNote にさささっと書いて、相手には紙で渡す必要があるというときに、Windows ならさくっと印刷したり、PDF や Word でエクスポートして渡せばすむのだけれど、Mac ではそうはいかない。
仕方ないので、現在は全体コピーして Pages に貼り付けたり、OneDrive で共有しているので Windows 機の OneNote で開き直して印刷なりエクスポートなりしている。大変面倒くさい。まあそれでも使っているのは、幸い印刷したりエクスポートしたりする頻度が僕の場合は月に1回あるかないか程度だからである。
macOS 版の印刷の問題させなんとかしてくれれば他は概ね文句ないんだけど、なんとかしてくれないものかしらん。
コメント
3年前の記事なので、対処の手段は既に分かっているかと思いますが、この記事を参照している方の為に一言。印刷のオプションで用紙一枚当たりのページ数を4に設定すれば不都合はありますが擬似的にページとして印刷は可能です。不都合とは、左半分と右半分の間が数ミリ離れた状態でかつ上下の間が2Cm余り離れた状態となります。OneNoteに保存された情報がA3サイズになっているようですね、3年経っても改善されないということはMicrosoftに改善の意思が無いようですね。
原因が分かっていて印刷する分には妥協できる範囲かと思います。