今回は業界寄りのハナシです。
AKB 総選挙
AKB というアイドルタレントの集合体みたいのの、総選挙があったそうで。
AKB ってのは特定の芸能事務所に所属するタレントグループではなく、いろんな事務所のタレントが集まって出来ている集合体なんだそうで、それがこうイベントを行なって、ついにはテレビで中継されるまでになったと。
昔はテレビ局やなんちゃら協会みたいな権威のありそうな団体が、タレントになんちゃら歌謡賞みたいなのを授けてそれを放送にしていたわけで、そういうイベントの求心力が低下している昨今に、勝手にそんなようなものをもっと狭いテリトリーではじめちゃって、ついには広く感心を持たれたというのはある程度痛快なことではある。
と、個人的な好き嫌いはおいといて、とりあえず褒めてみた。
最近批判的なことを言うと、「またオッサン文句言っている」と言われてしまうようなトシマワリになってきたので(苦笑)。
ところであの集団は、なんであんなにたくさんいるんだろうか。
と、このオジサンも例外なく思うわけである。さらに言うと、選挙で高い順序になっている女性達、確かに素敵な方々なのだろうけれども、テレビやなんかで見かける多くの女性タレントと比べて飛び抜けて魅力的というわけでもなさそうだとも思うわけで。
でまあ、失礼かもしれんけど、単純に「数がものを言っている」面もあるのだろうなと思うわけだ。
ソフトウェア技術者サミット in 長野 2012
その少し前、「ソフトウェア技術者サミット in 長野 2012」 というものがあったのでお邪魔してきた。参加申し込みしてから、共催がおいらが悶着あって辞めたその後の会社だったことに気がついてたいそう驚いた(苦笑)。イヤミの言い合いのひとつもできるかしらと思いながら行ったものの、そもそもその頃の関係者がほぼいなかったので拍子抜けした。まあそれはそれとして。
そのときのレポートはとみたまさひろさんや @koty さんが詳細に書かれているのでそちらにお譲りしたい。てゆーか僕にはこういうものは書けません(汗。
(年齢順w)
個人的にはアジャイルマインドのお話で「沢田マンションはアジャイルマインド」とおっしゃっていたのがとても印象深かったというかおもしろかったのだけれども、このおもしろさを説明するには沢田マンションのおもしろさを説明しないといけないわけで、面倒くさいので言及はここまで(ぉぃ
このイベントを主催されているのが「アジャイルプロセス協議会 見積・契約ワーキンググループ」という方々だそうなので、見積のハナシが出てくるのかと思ったのだが、そういう具体的なハナシというよりはアジャイル全体の歴史や現状や未来の概念的なお話が多かったカンジ。
いやむしろすのさんがディスカッションのコーナーでそういう話題に水を向けてらしたにも関わらず、パネラー・パネリストの方々が意に介してらっしゃらないカンジだったのが不思議ではあったけれども。
ソフトウェア開発の見積
で、アジャイル開発というのはウォーターフォールと違って事前に作業工数等がきっちり決まるわけではないので、見積が難しいんじゃないかということは容易に想像できるわけで、たぶんすのさんが、いやもちろんワタシもだけれども、期待したのは単なる人月的ではない見積技法についてのハナシだったのではないかと思う。
でもまあその時のハナシは、「工数は変動するかもしれないので予めバッファを盛り込んでおく。入札やコンペでは金額で負けてしまうこともあるので、いろいろと考えなければいけない」というようなことで、うーん、そらそうだというところだったのがちょっぴり残念。
さて、コンピューターソフトウェアというのは工業製品ではないということは以前にもこのBlogで触れているわけだけど、上記の「サミット」でもソフトウェアテストを専門にされている方が、ソフトウェアはいつも同じ物を作るわけではないし、同じものはコピーすれば済むので作る必要もないわけで、製造業と同じ考え方でテストや品質保証はできないということをおっしゃっていた。もっともだ。
しかし、費用的なことについては「作業工数」つまり、それを作るのにどんだけの人間がどんだけの期間拘束されるかによって金額を決めている。
これは、例えばものすごく優秀なプログラマーや超効率的な手段を持っている人たちが、そうでない人たちより劇的に早くすばらしいものを作ったとしたら、かえってギャラが安くなってしまうというとても困ったことになるわけで、永らく指摘されている問題ではある。
しかし、スター選手が必ずしもすべてのシゴトにアサインされるわけでもないし、スターだって体調が悪いときだってあるし、会社組織として「エースを投入するからカネよこせ」とするのはなかなか難しいハナシではある。
ソフトウェア開発が悩んできた問題を、最近は Web 屋さんも悩んでいるようだけれども。
ハンコ駆動開発
「サミット」ではアジャイルとは対極的なハナシとして「ハンコ駆動開発」という話題も出ていた。ウォーターフォールの各段階を経るごとにハンコによる上長の承認が必要ということ。
それを前時代的と揶揄するのは簡単だけれども、そうすることで担当技術者が独断でやってしまわないこと、担当技術者の責任というか精神的負担を軽減させること、といった「メリット」を考えてそうしてきたことなのではないかと思うわけで、一概に官僚的というわけではなく、実担当者のことを慮っている面もあるのだろうと僕は思う。
特に責任の所在を問われるような業種向けであれば必要な手続きなのじゃないだろうか。
ブームが終わるとき
社会的にいろいろ廻すにあたって、スター選手だからどうこうというよりは、やはりある程度の人数を抱えて、ある案件についてウチはこれだけのマンパワーを投入できまっせ、だからいくらいくらくださいというハナシにするのが現実的ではある。
以前、生越昌己さんが次のようなエントリーを書かれていた。
つまり、これこそが「なんでAKBってあんなにいるんだ」ということの答えなのだ。
突出した能力をもつ人を擁するより、集団として擁した方が、経営営業戦略もたてやすいし責任分散や危機管理もできる。
たぶん、AKB は大量生産大量消費の現在最終型として存在している。大量生産大量消費が悪いと言っているわけではない。人口が今より減らないのにそれを変えるベキというような論説はむしろ信用できない。
だから、AKB はわかりやすい。わかりやすいからテレビのような大量送信を目的としたメディアで扱いやすい。そして大量消費される。
なんのことはない、エンジニアなるものと AKB なるものは同じようなものなのである。
残念ながら、ブームはいつか終わる。かつておニャン子クラブのブームが終わったように、AKB のブームだって未来永劫に続くということはない。ギョーカイでは、AKB ブームが終わった後、いよいよ CD 市場が崩壊するのではないかというハナシもあるそうだけれども、まあそれはよく知らない。比喩的なことだと今は思っておこう。
しかしそれは、日本の得意な団体戦の終わりなのかもしれない。もちろん、また新たな団体によってとって代わられるのかもしれない。専門外なのでわからないが。
そしてその時、日本のソフトウェア開発は、やっぱりまだ人月工数で見積しているんだろうか。
コメント