長野のIT勉強会 #NSEG OpenStreepMapマッピングパーティ in 小諸

NSEG

去る4/20(土)、長野のIT勉強会「NSEG」に久々に参加してきた。今回OpenStreetMap (OSM) のマッピングパーティを小諸そば七さんを拠点に行うということなので、しばらく、いやそれこそ2年近く参加していなかったワタクシとしてはなんとしても参加しとかないとイカンでしょうということでおじゃましてきた。

NSEG とはなんじゃらほいとか OSM がなんであってどういう意義があるというのは説明しだすと長くなるのだけれども、今回のことを簡単に言えば、長野県在住のコンピューター関係のシゴトをしている人たちが、小諸をぷらぷら散策して地図を作ったということである。

そしてその地図は Google やゼンリンといった企業の所有物ではないので、我々プログラマーが無料かつ自由に (正確には Open Data Commons Open Database License:ODbL に基いて) さまざまな製品やサービスに組み込みことができる。例えば位置情報サービスの雄 Foursquare は昨年から Google マップの使用をやめて OSM (正確には OSM を利用したカスタム地図生成サービス MapBox と JavaScript ライブラリ Leaflet) を使用するようになったわけで、それはやっぱし Google マップは多くのネットユーザーの印象に反し、無料かつ自由ではないからだったりするわけである。

まあそのへんののーがきはともかく、我々はまず東信のソーシャルユーザーの聖地であるお蕎麦屋さん、そば七さんに集合したのであった。

ソーシャルユーザーの聖地などというと、人付き合い指南や人付き合いをおビジネスのネタにした怪しげなセミナーでもやってるのかと誤解されかねないけれども (苦笑) そういうことではない。

そば七さんでは、毎月1日 (ついたち) は「ついったーち」ということで Twitter 割引を実施され、長野県の中でも特に最近元気なカンジの東信地域のソーシャルユーザーが次々と集まって毎月オフ会のような様相となり、有志が勝手に盛り上がって寄贈した「#soba7now」というハッシュタグのノボリが古風な城下町である小諸に毎月はためくという事態にまで発展したというたいへんおもしろいお蕎麦屋さんなのである。


そば七

ソーシャルブーム以前からいろいろなイベント会場になったり、海外で蕎麦打ち指南などの精力的な活動をされていたり、お店で提供されているお蕎麦そのものも風味を堪能するためにちょっと驚くほど太い個性的なお蕎麦だったり、てんちょー氏は iPhone を魔改造されていたりと、これまた大変興味の尽きないお蕎麦屋さんなのだけれども、そのあたりはいつか NSEG で iPhone 魔改造についてライトニングトークをしていただく日が来るのではないかと思うので、深くは触れまいよ(ォィ

本日の主催は Debian の各種文書の翻訳や OSM での活動などなど広範囲にご活躍の鍋太郎さん。そして OpenStreetMap Foundation Japan の事務局長東 (higa4) さんにもおいでいただいた。

なんと驚いたことに、東さんは事前に小諸駅からそば七あたりの建物を地図上に描いていていただいたとのことであった。

そしてそば七でイベントをやると言えばもちろん、そば七の備品こと東信のサモハンこと名プロデューサーあとさんも登場。まずはあとさんによって、同店の建物にまつわる由緒正しき歴史の解説、そして大変個性的なそば七さんの各種お蕎麦のご説明をしていただきながら (このへん、ご存知の方には恒例行事ですがw)、お蕎麦をいただいた。ちなみに今回僕が頂いたのは崩し豆腐入りの「みぞれそば」。大変おいしゅうございました。


みぞれそば

今回の参加費は、そば七さんでお昼を各自オーダーしたのみで、その後のマッピング作業の会場は太っ腹にも会場費等なしの Wi-Fi コミでお二階を貸していただいた。あ、そうそう、プロジェクターはこの地域のソーシャルユーザーにはお馴染みでじたる屋フォト&デザインスタジオさんから貸していただいたものである。

その後、鍋太郎さん主導のくじ引きにより3チームにわかれ、小諸市内を散策。小諸城址懐古園などを散策されたチームなどもあったようだ。

僕の所属したチームはそれこそ偶然あとさんがいらしたので、そば七から小諸駅にかけてゆっくりと歩きながら、道すがらの各お店とかにまつわる、地元の人だけが知っているおもしろ話をおききしながら、ある者は紙にメモをとり、ある者は iOS 用アプリ Pushpin OSM でそれら施設の名前を地図上に登録したりして、ゆるゆると散策したのである。


一部ではとても有名な赤いガイドさん

もちろん1箇所1箇所真剣にメモをとられたり施設名登録をされる方がいる一方、小諸市を舞台にしたアニメ『あの夏で待ってる (なつまち)』の聖地巡礼状態であとさんの iPhone に映されるアニメの各シーンと実際の風景を比較して大喜びの方もいらしたりして、そうかと思えばワタシなんぞは根が不まじめなおっさんなので、紹介していただいたドーナツ屋さんのドーナツを喜んでパクついたり (『小諸駅前ドーナツ tocotoco』さんのドーナツがたいへんおいしゅうございました)、小諸といえばなつまちの前に『すくらっぷ・ブック』だよねーということで(若いひと知らんよ)、バス停に描かれているすくらっぷ・ブックのイラストを写真に撮ったりして小ネタ収集にいそしんだりと、小諸の街歩きを堪能したのであった。


すくらっぷ・ブックバス停 / tocotocoのドーナツ

そしてあとさんと小諸歩きをしたことのあるひとにはおなじみの、それこそ今やなつまち聖地巡礼に訪れる方々の拠点とすらなっているらしい自家焙煎珈琲こもろさんにおじゃまして、大変おいしいコーヒーをいただきつつ、マスターとひとしきり楽しくお話をさせていただいた後、そば七へ帰還。

そば七では鍋太郎さんと東さんに解説してもらいながら、各自散策してきた結果を OSM のオンラインエディタで地図の編集を行ったのであった。

下記に現在の OSM での小諸駅付近の画面キャプチャを貼っておく。


マッピング成果

道路と鉄道の線路は今回のマッピングパーティ以前から描かれていたものの、それ以外はほとんど白地図状態だったのだが、建物をあらわす四角形や、その四角形の上に記入されている施設名や施設の種類を表すアイコン、懐古園の中に描かれた細かい道は、まさに今回のマッピングパーティの成果なのである。

そしてその成果は早くも、例えば Foursquare のそば七さんのスポットページで地図を拡大すると、地図上に「そば七」と書かれているなど、具体的に反映されている。

今回は特に東さんに事前に建物をたくさん描いておいていただいたので、それこそ Foursquare に新しいスポットを登録するのと同じ程度に簡単に施設名等を登録することができ、大変やりやすかった。事前にこれだけ準備されていれば、小学生が白地図をもって地元の商店街の地図をつくる社会科の課外授業みたいなカンジで楽しく地図作りができるのではないか。

東さんは「むしろ自宅と会社を行き来するだけで地元のことをよく知らないお父さんがこれをやると、地域のことがわかって楽しい」とおっしゃられていた。たしかにおっしゃるとおりである。

そして、そういったマジメな目的はもちろんだけれども、ワタクシのようにそもそも不まじめに、その地域のおもしろおかしい話をおききしながらブラタモリタモリ倶楽部のごとく街歩きをする口実にするというのも楽しみとしては充分アリなのではないか。

特にコンピューターがどうとか、自由な地図がどうとかいうことに興味のないご年輩の方であっても、そういう方に地元の街を案内してもらうという機会としてもステキなんじゃないか。そしてそういうことをレクチャーするには自分自身が改めて自分の住む街について見直す機会にもなり、生涯学習的な効果もあるのではないだろうか。

ワタシ:「あれ、このお店を登録したいんだけど、看板とか店名が出てないね」
あとさん:「小諸はそもそも歴史的に小売店というより問屋が多く、看板が出てない店が案外多いんですよ」

などという会話があったのだけども、そんなカンジでその街の歴史に触れることにもなるだろう。

なつまちのようなアニメや映画などの舞台になった場所であれば、その聖地巡礼のついでに、旅の成果として立ち寄った場所を地図に書き込むことで、旅の思い出が具体的な成果物になっていくというのもきっと楽しいに違いない。

もっと単純に言えば、自分の好きなお店や自分の地元の商店街なんかについて書き込むことで、そのお気に入りのお店や自分の住む地域への貢献になるとしたら、ちょっと気分いいじゃないか。

そう、そして、今回は NSEG の参加メンバーがコンピューター系の技術者が中心なので、そういったメンバーが街を散策し、データを作り、マッピングを行ったわけだけれども、できれば上に書いたように、いろんな方がこれをネタに遊ぶようになってくれるときっともっと楽しいことになる。

そして、そのためには、僕達「プログラムを作る者」は、自らマッピングを行うだけではなく、OSM の成果物を使い、もっと多くのひとがデータを充実させたくなるようなシステムを作ったり、サービスを提供するべきなのだろう。そうすることで、さまざまなひとが交流したり遊んだり貢献したりする「」を生み出すことになるのではないだろうか。

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