「IT」ということば


その昔、森喜朗首相が国会かなんかで「IT (Information Technology:情報技術)」を「イット」と言って失笑を買ったのはいつだったか。いわいる「インパク」の前なので、すでに15年ぐらい前のことなのだろう。

僕は工業高校の情報技術科卒なので、「情報技術」という言葉とその英語表記である「Information Technology」という言葉は聞き慣れていて、特に違和感なく自然に耳に入る言葉であった。

しかし、「アイティー」という言葉はその頃まで聞いたことがなく、「イット」と言ってしまったかどうかというよりは、「アイティーってなんだっけ?」と思ったことのほうが正直強かったわけで。

正直なところ、それは「お役人用語」 なのだろうと思っていた。

当時自分たちは自分たちの業界のことを「コンピュータ業界」と言っていたと思う。「(コ)の業界のオキテ」という超有名サイトがあるのだけれども、今の業界関係者にはもしかしてご存知ない向きもいらっしゃるのかもしれない。まあそれはそれではあるけれど。

ふと気がつくと、業界の内側のひとたちも「アイティー」て普通に言うようになっていたりする。例えば「絶対に押さえておきたい2015年IT業界重要イベントカレンダー 」だとか、「IT勉強会」 だとか。いやもちろん自分も含めてなんだけどね。このサイトの FQDN に使った「ICT」はすでに死語化しとるというのはあるけども、まあそもそもここはギョーカイバナシを自虐的に書こうと思ってはじめたところなので、それでいいっちゃそれでいいわけだけど。

で、この「アイティー」は「Information Technology」からきてるわけだから、英語圏でも普通に言うのかと思うと、国内記事以外で僕自身はみたことないように思うのがまた奇妙。

「テク」とか「テック」、つまり「Tech」て言ってる人のほうが最近は多いような気がするし、海外で活動されているプログラマーの方や海外記事を翻訳される方々も「テック系」っておっしゃってる気がする。

で、まあ「アイティーってダサいからもうこれからテックて言おうぜ」というのは簡単だし書きようによっては炎上ネタにしてアクセス稼げるかなうっしっしと思うものの、別にそういうことをしたいわけではない。

言葉は時代によって変わるものなので、イマドキの言葉遣いをなげいてみせて年上ぶるのもあまりいただけたハナシでないという意見もわかる。

しかし、なんとなく違和感があるまま、周りにあわせて「アイティー」とか言ってるのも、なんかもうやめてもいいお年ごろかなとも思うわけで。

実際そろそろ「イマドキの若いもんはヅラしてる老害ダサイ」と「若者ぶる老人」 でいるのもなかなかかっこわるいなと思うところもある。実に残念なことに、ネット黎明期の方々にそういう方が多いような気がしないでもない。もちろん偏見だけど。

というわけで、「アイティー」という言葉は今後あんまり使わないようにしようかな、個人的に。と思っている 2015 年年頭なのだった。


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